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ずっと君と・・・ 2

一方、不思議の町にとどまっているハクは銭婆からの連絡を受け、
すぐさま沼の底にある銭婆の家へ向かい、とんでもない事実を聞かされた。
「千尋が私のことを忘れかけている?」
あまりにも受け止めがたい現状に驚きを隠せないハクは銭婆に迫った。
「そんなことは絶対にありえません!私は千尋と約束したのです、いつかまた会おうと。
固く手を握り合ったのです。」
「まぁ、それは紛れもない真実だろうけどいいかいハク竜。
人はすべてを記憶できるわけじゃないんだ。
あの娘(こ)だってあちらの世界で自分の生をまっとうしなけりゃならない。
だから何個かの思い出は捨てなくちゃならないのさ。
これから生きていく為にもね。そりゃお前さん自身は忘れてほしくないだろうけど、
千尋はもう今は自分のことで精一杯なはずだ。
とにかく、千尋の幸せを願っているのなら、余計な手出しはしないことさね。
でもそれでも、お前さんに対する記憶を取り戻させたいというのなら、
思い切ってこの世界とあちらの世界のはざまをくぐってみるといい。
上手くいけば、その容姿を捨てることなく入り込めるかもしれない。」
この世界とあちらの世界のはざまとはまさしく、あのトンネルのことだった。
「では銭婆さまは私にトンネルを抜けろと仰るのですか?」
「ああ、その通りだ。だけどね、あそこをくぐるにはある難問をクリアしなくちゃいけないのさ。」
「ある難問?」
あたしも詳しくは分からないけど、おそらくはお前が千尋のことを
どれだけ大切に思っているかを問われるだろうね。
ただ漠然と答えただけじゃ駄目だ。ちゃんと己の気持ちを素直に表現しなけりゃ、
一歩も人間界へ踏み出させてはくれないよ。
それだけ気をつけていれば、必ずお前は千尋に会える。」
「本当の気持ちを、伝えればいいのですね?」
決心したハクは銭婆にお辞儀をすると、真っ直ぐにトンネルへ向かっていった。